
HSEセミナーは「本物の薬局・薬剤師」を考えるべく2010年1月にスタートしました。東日本大震災や新興感染症による中止もありましたが、本年で15年目150回の開催を超えることが出来ました。
薬局運営に関わる情報の他、医療・介護そして小売業の視点から様々な講師をお呼びしています。お呼びした講師は250名を超え、情報量は薬局業界ナンバーワンのセミナーとなっています。
第168回HSEセミナーのコンセプト
報酬改定に向けが議論が年内で終了すると、1月に出てくる「短冊」、そして「答申」を待つだけとなります。新設報酬や体制加算等に対する注目は高いですが、「求められている行動」は不動であり、足元を固めながら次なるステップへと進んでいく必要があります。1月のセミナーでは先を見据えながらも、現状を振り返り、薬局の質を上げていくための講師を選定いたしました。
1講義目には「医療的ケア児」への取り組みです。国の取り組みとして設立が進められている「医療的ケア児支援センター」から講師をお呼びし現状や課題について聞いてみます。
2講義目には報酬改定に向けた最終調整ということで薬局業界を代表する業界紙から講師をお呼びしています。改定の方向性や付随する医療政策、環境の変化について聞いてみます。
3講義目には「薬学臨床推論」について、薬剤師の職能発揮を後押しする講師をお呼びしました。OTC対応やリフィルの普及には薬剤師の活躍が必須です。「臨床推論」というトレンドワードを知らないことは一歩出遅れとも言えます。上記3名の講師の講演からこれからの薬局を考えていきたいと思います。
詳細
開催日:2026年1月23日(金) 13:00~17:00 / 24日(土) 10:00~12:00
※HSEセミナーは2日間開催のセミナーです。
場 所:ビジョンセンター田町 4F 「404」
JR田町駅または地下鉄三田駅よりすぐ
費 用:50,000円(税別) (同一法人の場合、お二人目から25,000円)
※お申し込み後のキャンセルに伴う返金にはご対応できませんので、ご確認の上お申込みくださいませ。
講師紹介
第1講義
「医療的ケア児の現状と必要な地域支援体制」(仮)
中嶽 直美 氏 (東京都医療的ケア児センター区部 相談員・看護師)
地域支援体制加算の実績項目にも含まれている「小児特定加算」。対象となる医療的ケア児についてどれだけの知識を持っているでしょうか。講師依頼をするにあたり始めて「医療的ケア児支援センター」という存在を知りました。法律により現在全国で設置が進められています。患者に対する支援の調整役として中核な役割を果たすことが期待されています。医療的ケア児に対する支援は国策として進められていきます。そこに薬局の関りも今以上に求められることは言うまでもありません。改めて医療的ケア児の状況や置かれている環境を理解し、薬局の取り組みを考えていきたいと思います。
第2講義
「業界紙視点で見る2026年度調剤報酬改定の行方」
河野 紀子 氏 (日経BP社日経ドラッグインフォメーション副編集長)
報酬改定、改正薬機法、OTC類似薬、医療DXと考えることが多い2026年度改定。10月に新内閣・与党が設立されたこともあり、いまだ不明なことも多くあります。次期改定は2035年に向けた姿を示す重要な改定となります。足元にある報酬から将来ビジョンを思い描き、先を見据えた薬局づくりを進めていく必要があります。薬局業界に特化したメディアの記者はこの環境変化をどのように見て、次期改定をどう考えているのか。取材を通し得た「一次情報」から考える報酬改定、これからの薬局ビジョンを聞いてみたいと思います。医薬分業はどうなるのか?大きな分岐点を迎えています。
第3講義
「“臨床推論”×レッドフラッグサインを見逃すな!‐未来の薬局を切り拓く!OTC・リフィル・在宅での患者別アプローチ実践勉強会を‐」
岸田 直樹 氏 ((一社)Sappro Medical Academy 代表理事・医師)
薬局業界のトレンドワードに「臨床推論」が挙げられます。患者の症状や検査値などから病態を評価し、薬物療法に関する問題点を特定し解決策を導き出す思考プロセスです。進むであろうリフィル処方箋やOTC医薬品販売、さらには在宅医療の場において必須な考え方と言えます。薬剤師の職能発揮は医師の業務負担軽減、医療費抑制など国のビジョンに則した効果が得られると期待されています。一方で、タスクシフトによる報酬減や患者減少を懸念する職種もいます。その際に必ずと言っていいほど指摘されるのは「薬剤師の能力」です。これから求められる機能に対し、「臨床推論」はもっとも必要なスキルの一つなのかもしれません。薬局薬剤師の未来を一緒に考えてみたいと思います。


